着物買取の基礎知識

アンティーク着物とは。柄・生地の特徴や、リサイクル着物との違いと見分け方。買取価格相場も紹介。

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アンティーク着物買取相場 着物買取の基礎知識
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大胆なデザインと、はっと目を引く配色が特徴のアンティーク着物、着物好きなら一度は目にしたことがあるかもしれません。

しかし「どんなものかだいたいは分かるけれど、はっきりとは説明できない」といったように、「アンティーク着物の定義が今一つ分からない」という人も意外と多いのではないでしょうか。

そこで今回は、アンティーク着物の特徴や、リサイクル着物との違いや見分け方、またアンティーク着物を売る場合の買い取り相場などを詳しく解説していきます。

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アンティーク着物とは

反物

そもそも「アンティーク着物」とはどのような着物のことをいうのでしょうか。

特徴や、混同しやすい「リサイクル着物」との違い、また人気の秘密をみていきましょう。

アンティーク着物の特徴

アンティーク着物には、作られた時代、柄、生地などにそれぞれ特徴があります。

  • 時代:一般的に大正末期から昭和初頭にかけてに作られたもの
  • 生地:古代縮緬、江戸縮緬、紋綸子などがあり、銘仙や小紋が人気
  • 裏地:紅絹などの鮮やかな胴裏
  • サイズ:袖丈が長く、共衿が短い。全体的に小さめが多い
  • 柄:古典柄はもちろん、アールデコやアールヌーヴォーなどを取り入れた「大将ロマン」

時代|一般的に大正末期から昭和初頭にかけて

アンティーク着物は、戦前に作られた着物の事です。一般的には大正末期から昭和初頭にかけて作られた着物のことを指します。

アンティーク着物かそうでないものかは、戦前、戦後で区切られ、戦前の着物はアンティーク着物、それに対して戦後の着物はリサイクル着物と呼ばれています。

生地|銘仙、古代縮緬、江戸縮緬、紋綸子など

銘仙銘仙 綸子綸子

アンティーク着物の生地として使われているのは、古代縮緬や江戸縮緬(生地の表面にシボと呼ばれる凹凸がある絹織物)、紋綸子(地模様を表現した朱子織の絹織物)などの白生地を使った染の着物地です。

また、「銘仙」という平織の絹織物も、大正時代から昭和にかけての女性の普段着として大流行しています。

「銘仙」の着物は、綺麗な生糸を引く事ができない、くず繭や玉繭(綺麗な生糸をつむげない繭)などのB級品の安価な糸で織られ、その割に着心地が良く、軽いので一般庶民の普段着の着物生地として爆発的に広まりました。

「染の着物」、「銘仙」共に、大胆なデザインと独特の鮮やかな配色で構成されています。

「アンティーク着物」は戦前に作られた着物の総称の事なので、普段着から訪問着、留袖、振袖、花嫁衣裳など様々な着物がありますが、「アンティーク着物」というキーワードで多くの人が思い浮かべるのは、当時の普段着である「染の小紋」や、「銘仙」などではないでしょうか。

裏地|紅絹(もみ)など鮮やかな胴裏

裏地

鮮やかな色合いの胴裏も、アンティーク着物の特徴の一つです。

当時の胴裏には、「紅絹(もみ)」と呼ばれる、紅花で染められた真っ赤な裏地や、薄紫色の裏地等が使われています。「紅絹(もみ)」には「魔除け」の意味があったと言われています。

昭和15年に「贅沢禁止令」が発令されてからは、色の着いた胴裏はしばらく使われなくなりました。

サイズ|袖丈が長く共衿が短い。全体的にやや小さめ

帯コーデ06

現在の着物よりも袖丈が長いのも、アンティーク着物の特徴です。

現代の着物の袖の長さは、だいたいどの着物も1尺3寸(約49cm)程ですが、当時の袖丈は1尺5寸(約57cm)以上のものがほとんどです。

袖丈が長いのでアンティーク着物を着る場合は、合わせる襦袢の袖丈にも注意しましょう。

更に共衿の長さも、現代の着物と比べると短めです。共衿とは、衿汚れ防止のために、着物の衿に取り付けられる短い衿の事で、現代の着物は1尺3寸(約49cm)程であるのに対して、アンティーク着物の場合は、1尺(約38cm)程しかありません

また、昔は女性の体格が今より全般的に小さかったことから、ほとんどのアンティーク着物のサイズは小さめです。

柄|古典柄に加え、アールデコやアールヌーヴォーなどを取り入れた「大正ロマン」

アールヌーボー

アンティーク着物の特徴は何といってもその「柄」にあります。

柄の種類は、鮮やかな色彩で描かれた古典柄と、「大正ロマン」と言われる、西洋の文化に影響を受けた柄と大きく2つに別れ、どちらもこの時代独特のはっと息を飲むような大胆な配色が特徴です。

「大正ロマン」の着物とは、明治から大正にかけて西洋から入って来た「アールヌーボー」や「アールデコ」などの文化を模様に取り入れて作られた着物です。

曲線的なデザインの柄で、薔薇やチューリップ、スイートピーなどの西洋の柄が取り入れられたもの(アールヌーボー)や、直線的で幾何学模様が表現された柄(アールデコ)などがあります。

【見分け方】アンティーク着物と古い着物、リサイクル着物の違いは何?

アンティーク着物が戦前の着物を指すのに対し、「リサイクル着物」と呼ばれる着物は「戦後に作られたいわゆる古着の着物」です。

アンティーク着物とリサイクル着物は混同しやすいのですが、以下を参考に見分けると区別しやすいでしょう。

  • 袖丈が長い
  • 裏地が鮮やかな色
  • 共布が短い
  • 大胆な配色と、色鮮やかな色彩

以上の条件を満たしていない着物、例えば袖丈が現代のものと一緒、裏地が白、あるいはグラデーションになっているものなどはほぼ「リサイクル着物」です。

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アンティーク着物が人気のワケ

悩む人

着物好きの人の中には、特に「アンティーク着物が大好き」という熱狂的なファンが多くいます。その人気の秘密は以下の通りです。

  • アンティーク着物ならではの独特の雰囲気
  • 優れた技術で作られた一点ものであること
  • リーズナブルな価格で手に入る
  • ファッションの一つとして気軽に楽しめる

以下、それぞれ人気の理由を一つ一つみていきましょう。

アンティーク着物ならではの独特の雰囲気

今でこそ着物は、結婚式や式典、成人式など特別な日に着るものになっていますが、洋服が無かった戦前までは、日常的に着物が着られていました。

そのため、普段着から礼装まで実に様々かつ多くのなデザインの着物が作られています。

特に、今の着物には無い「大正ロマン」と呼ばれる西洋文化の影響を受けた色鮮やかな配色と大胆なデザインの着物は、この時代ならではの独特の雰囲気で、これが「アンティーク着物」好きから人気を集めています。

優れた技術で作られた一点ものであること

アンティーク着物に見られる優れた技術も、魅力の一つです。

江戸時代後半から平和な時代が長く続いたことで、職人の製造技術が磨かれ、手作りで精巧な着物が多く作られ、その技術が「アンティーク着物」として今に受け継がれています。

また、「アンティーク着物」の時代の着物は、大量生産ではなく、一つ一つ手仕事で作られていたので「全く同じ着物」がなく、ほぼ一点もの

「同じものが一つとしてない」という特別感も人気の秘密です。

リーズナブルな価格で手に入る

アンティーク着物の中でも、当時普段着として着られていた染の小紋や、銘仙などは、新品の着物よりも大変リーズナブルな価格で手に入れる事が出来ます。

モノにもよりますが、正絹の新品の着物が10万円程するのに対し、アンティーク着物は1万円以下、中には数千円で買えるものもあります。

安価で買えるアンティーク着物を沢山手に入れて、その日の気分によってコーディネートを楽しめるのも魅力の一つです。

ファッションの一つとして気軽に楽しめる

アンティーク着物の中でも普段着やおしゃれ着として着られていた小紋柄は、洋服で例えるとTシャツとGパンのようなカジュアルな装いです。

カラフルでポップな柄が多いので、普段着の感覚で、洋服と同じ様にお出かけ着として着用したり、洋服の上におしゃれアイテムとして着物を羽織ったり、丈の短い着物をブーツと合わせたりして、普段の生活に自由にアンティーク着物を取り入れて楽しむ事ができます。

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アンティーク着物って売れる?買取相場は?

電卓

一般的な銘仙や小紋と言ったアンティーク着物の買取相場は、数千円~数万円程度。

アンティーク着物は須らく作られてから年数が経ち、保存状態に差があるので、相場にもバラつきがみられます。

ただし、アンティーク着物の中でも、一つ一つ職人が手をかけ、丁寧な手仕事で作られた振袖や訪問着などの格の高い着物は20万円以上するものも。

特に1920年前後の大正ロマンの全盛期のものは人気が高く、高価買取を狙えるでしょう。

アンティーク着物の買取相場

  • 小紋や銘仙:数千円~数万円(状態のいいものや人気の高いものは30,000円~程度)
  • 振袖や訪問着:数万円~20万円程度
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アンティーク着物が高価買取されるポイント

招き猫

着物の中でも人気のある黄八丈ですから、せっかくならできるだけ高く買取してほしいですよね。

高価買取へと近づけるポイントは以下の4点。

  • シミや汚れがなく保存状態がいいほど価値が高い
  • サイズは大きいものの方が高く売れやすい
  • 専門の買取業者に見てもらうのが何より大事

知らないと大損する可能性もあるので、買取に出す前にしっかりと確認しましょう。

アンティーク着物は保存状態が大きなポイント。シミや汚れ、虫食い、生地弱りは要チェック

アンティーク着物は、その時代背景からも分かる通り、作られてから100年ほど経過しているものがほとんどです。

絹の耐久性は100年ほどと言われていて、アンティーク着物の中でも比較的新しく、人気のある大正時代~の着物でも、相当丁寧に保管していないと、虫食いがあったり、破れたり、シミが付いたりしてしまいます。

保存状態が悪いとせっかくの良い着物でも高く売る事はできません。

時間が経てば経つほど、生地は劣化していくので思い立ったらなるべく早めに売るのも大切ですね。

サイズの大きいものの方が高価買取に

アンティーク着物が着られていた時代は、今よりも小柄な体格の女性が多かったので、着物もサイズが小さめです。

アンティーク着物の中でもサイズの大きい着物は比較的高値で取引されます。現代人の体格に合っているので、需要が高いという事と、大きなサイズの着物であれば、自分のサイズに合わせて仕立て直しする事もできるからです。

一般的な着物にも言える事ですが、大きなサイズの着物のほうがニーズがあり、その分買い取り価格も高額となります。

専門の買取業者に見てもらうのが何より大事。できれば複数の業者に見積もりを

着物を売る方法はいくつありますが、高額買取されやすいのはやはり専門の買取業者です。着物専門の査定士は、実績も豊富なので大切な着物を正しく評価してくれ、安く買いたたかれてしまう心配がありません。

買取業者に依頼したい場合、インターネットや電話での査定依頼が簡単です。査定は自宅や店頭宅配などの種類があるので、予定に合わせて選ぶこともできます。

査定価格に同意すれば、その場で買い取ってもらえるので手間もなし。もし買取価格に納得できなくても、査定自体は無料なので損になることはありません。

アンティーク着物は特に、保存状態で大きく価格が左右されたり、証紙など証明できるものが少なかったりと、適切な価格を判断するのが難しいもの。

だからこそ、きちんと知識のある査定士に査定してもらうことが重要になってきます。できれば一社ではなく複数の業者に査定を依頼するのも、より高く買い取ってもらえるポイントですよ。

まとめ

アンティーク着物は今でも根強いファンのいる人気の着物です。普段着感覚で自由にアンティーク着物を取り入れて、おしゃれを楽しみましょう。

そして、もしアンティーク着物を処分しようと考えている場合は、一度、着物の専門的な知識が豊富な、着物買取専門業者に査定に出してみましょう。

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