観光地へ旅行に行く際や、ちょっと遠出のデートの際、せっかくなら着物を着たい、という人が増えています。普段とは違う格好で気分が高まり、より一層デートを楽しむことができるのです。
最近では、自分で着物を持っていったり、移動中ずっと着物でいるのはちょっと…、そもそも着物を持っていない、という人でも気軽に着物を楽しめるようにレンタル着物のサービスも多くなってきました。
しかし、慣れない着物や浴衣での移動は注意しなければいけないことがたくさんあります。
ここでは、着物や浴衣でデートするにあたって注意することや気を付けることをまとめました。
着物や浴衣でデートがしたい!注意点や気を付けること
着物を着てデートを楽しむためには、いくつか準備が必要です。
注意すべき点をしっかり押さえておきましょう。
着付け時、準備時の注意点、気を付けること
まず準備の段階や、着付けを行ているときの注意点は以下の通りです。
- 予定を詰め込みすぎない、坂や階段の多い行程を組み込みすぎない
- 着物でデートすることをお互い納得する
- 荷物はなるべく少なく
- 絆創膏やクリームを用意しておく
- 暑さや寒さ、雨など天候に合わせた備えを
- ワイヤー入りの下着、濃い色の下着は避ける
- 着付けてもらっているときに違和感があればすぐ伝える
予定を詰め込みすぎない、坂や階段の多い行程を組み込みすぎない
着物デートでは余裕を持ったデートプランを作ることが大切です。慣れていない着物での移動は想像以上に時間がかかります。予定を詰め込みすぎると、本当に行きたいところに行けなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、坂や階段が多い行程は避けた方がいいでしょう。
移動が大変になるということはもちろん、着崩れの原因にもなります。無理をしない程度の移動にして、時には徒歩以外の交通機関も利用しましょう。
着物デートについてお互いが納得する
着物はよくも悪くも洋服とは異なります。
身構える必要はありませんが、片方があまり乗り気でない場合、せっかくのデートが台無しになってしまう可能性もあるので要注意。
二人とも楽しめるデートが一番なので、お互いの意思については事前に確認しておきましょう。
どちらか片方だけが着物を着たい(着てほしい)場合、歩幅や草履で歩ける距離、食べられる量などが、いつもとは異なるので相手への配慮を忘れずに。
荷物はなるべく少なく
せっかくの着物に大きな鞄はちょっと不釣り合いに見えてしまいますよね。
ただでさえ着慣れない着物での移動で、重たい荷物を持っていると余計に疲れてしまうといった懸念もあります。できれば巾着や小さな手提げやバッグを用意し、それにあった荷物の量に調節しましょう。長財布を使っている人は小さめの財布に入れ替えたり、化粧品を極力少なくしたりする工夫が必要になります。
持ってきた荷物が多いという場合は「手荷物預かりサービス」のあるレンタルショップを探すのがおすすめ。また、買い物をする予定だという人は、手提げの中にエコバッグを忍ばせておくと荷物が増えても安心です。
絆創膏やクリームを用意しておく
絆創膏やクリームを用意しておくことも大切です。
普段履き慣れていない下駄や草履は、履いているうちに鼻緒ずれを起こしてしまうことがあります。出血してしまう場合や、痛みで歩けなくなってしまう場合があるので鼻緒ずれ対策は必須になります。
痛みを感じたらすぐにクリームを塗ったり、鼻緒と触れる部分に絆創膏を貼って保護してあげましょう。
鼻緒ずれ対策にはこちらの記事も参考にしてみてください。
暑さや寒さ、雨などの天候に合わせた備えを
着物は基本重ね着をするもの。
そのため普段着ている洋服よりも体温調節が難しくなってしまいます。
寒い日には特に冷える足元や首元の対策したり、夏であれば保冷剤を持参したりという工夫が欠かせません。
ちなみに浴衣は夏用の着物の一種です。
中に襦袢を着用せず一枚で着るので、着物よりも基本的に涼しくなります。
うちわや扇子、日傘などの小物があるとさらに暑さをやわらげることができるのでおすすめです。
また雨の日には特に注意が必要。
レンタルの場合は、万一汚してしまった場合のクリーニングについて確認し、大きめの傘やレインコートを持っていくといいでしょう。
寒さ、暑さの対策はこちらの記事で紹介しています。
ワイヤー入りの下着、濃い色の下着は避ける
着物を着るときは下着選びにも注意が必要です。
色味の薄い着物や生地の薄い浴衣などは、下着が透けてしまう可能性があります(前から見てOKでも後が合うとな場合が多いです)。着物に透けてしまいそうな色の濃い下着は避けましょう。
また、ワイヤー入りの下着もNGです。着物は身体を寸胴に近づける方が着崩れなくきれいに見えます。ワイヤー入りのブラは反対に体の凹凸を強調するためのものなので、着物とは相性が良くないのです。
さらに、帯によって締め付けられることでワイヤーが身体に食い込み、痛みを感じることがあるかもしれません。できればスポーツブラやナイトブラのような、胸のなだらかにできるものがあるとベストです。
和装時におすすめのブラについてはこちらの記事で紹介しています。専用の和装ブラがなくても、しまむらやユニクロのもので代用が可能です。
着付けてもらっているときに違和感があればすぐ伝える
着付けてもらっているときに違和感を感じたらすぐに伝えましょう。
着物は紐や帯を何本も巻き付けますが、着付けが終わってからだと内側の紐を緩めることは困難になります。適切な着付けでは、帯に身体を預けられるような心地よい締め付け感があり、決して苦しかったり痛くはなりません。
胸の紐がくるしい、肋骨に結び目が当たって痛いなど具体的に違和感のある箇所を伝えられると、着付け師さんも直しやすくなるでしょう。
また、着付けが上手くいっていないと、時間が経つにつれて着崩れを起こしてしまいます。着崩れした着物を一人で直すのは非常に難しいので、違和感を感じたらすぐに調節してもらいましょう。
着物が苦しいと感じたときの対処法や、苦しくない着付け方のポイントは以下の記事を参考にしてください。
デート中の注意点
デート中の行動にも注意すべき点がいくつかあります。
- 水分をとりすぎない
- 適度に休憩を挟む、疲れたらタクシーを利用する
- 食べ過ぎは厳禁
- 大きな所作は着崩れの元
水分をとりすぎない
慣れない着物では、着なれた洋服のようにスムーズにお手洗いを済ますことができません。また、和式ではより一層用を足しにくいため、洋式のトイレを探す必要もあるでしょう。
さらに、慣れない動作では着崩れしてしまう心配もあります。必ず着付け前にお手洗いを済ませ、デート中は水分を摂り過ぎないように注意しましょう。
ただし夏場はあまり我慢しすぎると体調を崩す恐れがあるのでほどほどに。
適度に休憩を挟む、疲れたらタクシーを利用する
着物でのデート中は適度に休憩を挟み、疲れたらタクシーの利用も考えて下さい。
着物は普段着と比べ、かなり動きが制限されます。いつものデートよりも疲労を感じやすいでしょう。こまめに腰を掛けて休憩する時間を設け、移動が辛ければタクシーの利用も検討しましょう。
食べ過ぎは厳禁
食べ過ぎは一番気をつけなければならない点です。
着物はなんといってもおなか周りをしっかりと締め付けることで綺麗なシルエットを保っています。食べ過ぎてしまうと、気分が悪くなったり帯が崩れたりする原因になるでしょう。
着物デートでの食事は、いつもより控えめにしておくことをおすすめします。
大きな所作は着崩れの元
着物を着ているときの大きな所作は着崩れの元です。
着物で大きな段差を上ったり走り回ったり、腕を振り回したりするのはやめましょう。慣れている人であればある程度着崩れてもすすっと直せてしまいますが、着る機会が少ないとそれにも限度があります。
また、着物を着て大きな所作をすることは下品に見られる可能性もあります。せっかく着物を着たのであれば、小股で歩いたり所作を小さくしたりすることで上品な振る舞いを心がけましょう。
万一着崩れしてしまったときは、こちらの記事を参考に、対処してみてください。
お祭り以外で着物、浴衣を着てデートができるおすすめのまちやコース
全国には着物を着てデートができるスポットがたくさんあります。お祭り以外でも着物を着てデートができる場所を確認していきましょう。
昔ながらの風景が残るまちの散策なら着物との相性◎
昔ながらの街並みを着物で散策するのは憧れですよね。洋服で歩くのとはまた違った景色がみられるかもしれません。
最近では駅の近くなどに着物レンタルのお店も増え、より散策がしやすくなっています。
着物で歩くのにおすすめのまちをいくつか紹介していきます。
浅草
浅草周辺は着物デートにぴったりです。
浅草のシンボルと言えば、浅草寺の雷門。その先の仲見世通りはたくさんのお店や観光客でいっぱいです。歴史的な町並みを見ることもできるので、着物デートがおすすめです。
浅草駅周辺や隅田川沿いにはレンタルショップが多くあり、着替えてからすぐに浅草寺に向かうことができますよ。
京都
京都はどこも古き良き町並みが広がっているため、着物デートにおすすめの場所です。
特に、二寧坂は着物を着て訪れたい場所でしょう。五重の塔をバックに石畳の町並みが広がっており、観光客も多いので着物を着ている人もたくさんいます。
観光スポットとして有名な八坂神社と清水寺の間に位置しており、近くにレンタルショップもたくさんあります。レンタルショップで着替えてから、二寧坂や付近の寺社仏閣を回るのがいいでしょう。
鎌倉
鎌倉も着物デートをするおすすめの場所の一つです。
特に、鶴岡八幡宮は有名なデートスポットになっています。本宮の他にいくつかの社があり、自然豊かな境内を歩いて回ることができます。また、一度は写真に収めておきたい大きな鳥居もあります。
鎌倉駅から徒歩で向かうことが可能で、駅周辺や鶴岡八幡宮へ向かう小町通り沿いにはいくつかのレンタルショップがあります。小町通りで着物に着替えてから、近くの和菓子屋さんでお茶をするのもいいでしょう。ぜひ着物を着て楽しんで下さい。
金沢
金沢もぜひ着物で行ってみたい観光地です。
古き良き町並みが広がる東茶屋街や、日本三名園にも選ばれている兼六園があります。金沢駅周辺や兼六園付近にはレンタルショップがあるので、ぜひ着物に着替えて観光地を回って下さい。
金沢は駅の東側にデートスポットが点在しています。兼六園をはじめとして茶屋街や21世紀美術館など、たくさんのフォットジェニックな場所も。しかし、歩いて回るには少し距離があるのでタクシーの利用も考えるといいでしょう。
川越
川越も着物デートにぴったりの場所です。
都心から1時間程度で行けることも魅力の一つで、簡単に非日常を体験できます。本川越駅周辺にはいくつかのレンタルショップがあり、着物に着替えてから身軽に観光を楽しめます。
江戸の風情を感じさせる町並みが広がっており、「小江戸」として愛される川越は、ぜひ着物で訪れたいデートスポットでしょう。
倉敷
倉敷は観光はもちろんグルメも楽しめる、着物デートにおすすめのスポットです。
倉敷駅の南側には倉敷美観地区があり、着物が映える町並みが広がっています。レンタルショップもいくつかあるので、着物に着替えてから散策することができますよ。
また、おしゃれなカフェやお食事処もたくさんあります。特にぶっかけうどんは倉敷発祥で、着物を着ておいしいグルメを楽しむのもいいでしょう。
日光
日光も着物デートで訪れたいおすすめの場所です。
国宝に指定されている日光東照宮は、自然の中に豪華絢爛な建物が並んでおり、パワースポットとしても有名です。
日光駅から東照宮までの道沿いにはレンタルショップがいくつかあり、着物に着替えて東照宮を参拝することができますよ。門前町としての歴史を感じさせる日光の街並みは、着物をきてこそ楽しめるのではないでしょうか。
旅館や温泉のオリジナル浴衣で外湯巡りもあり
旅館や温泉の浴衣で外湯巡りをするのもおすすめです。
外湯巡りでおすすめしたいのは群馬県の草津温泉。日本有数の名湯として有名で、湯畑を中心として街のあちこちから温泉が湧き出ています。食事や土産物店を訪れながら、いくつかの温泉を回ってみてください。
また、旅館や温泉のオリジナル浴衣は手軽に非日常を感じられるという点でもおすすめです。
着物をレンタルする場合は、荷物を預けたり着付けしてもらったりする必要があります。しかし、温泉の浴衣ならば着るのが簡単で、荷物は旅館やホテルにおいたまま身軽に散策できます。ぜひ一度浴衣での外湯巡りも楽しんでみてください。
日本料理や和菓子・和スイーツを楽しむのもおすすめ
せっかく着物を着たのなら日本料理や和菓子・和スイーツを楽しむのもおすすめです。
着物を着て、普段は食べない豪華な日本料理を食べに行くのも楽しいと思います。また、和菓子や和スイーツを食べることも、着物のおかげでより特別なものになるでしょう。
しかし、食べすぎには注意してください。着物を着ているとおなか周りが圧迫されるので、たくさん食事をとることができません。さらに、食べ過ぎてしまうと気分が悪くなることもあるでしょう。いつもよりも少なめの食事を心がけてください。
まとめ
着物や浴衣でのデートは、非日常を感じさせる特別なものになると思います。
せっかくの着物デートで失敗しないために、上記の気を付けることやデート中の注意点を十分確認しておきましょう。
準備・着付けの段階で気を付けること
- 予定を詰め込みすぎない、坂や階段の多い行程を組み込みすぎない
- 着物でデートすることをお互い納得する
- 荷物はなるべく少なく
- 絆創膏やクリームを用意しておく
- 暑さや寒さ、雨など天候に合わせた備えを
- ワイヤー入りの下着、濃い色の下着は避ける
- 着付けてもらっているときに違和感があればすぐ伝える
デート中気を付けること
- 水分をとりすぎない
- 適度に休憩を挟む、疲れたらタクシーを利用する
- 食べ過ぎは厳禁
- 大きな所作は着崩れの元
ばっちり準備をして素敵なデートを楽しんでくださいね。