「辻が花ってよく聞くけどなに?」「辻が花の着物って価値が高いものなの?」
着物好きに人気の「辻が花」ですが、その実を説明できる人は少ないでしょう。実際、辻が花には謎が多く、それゆえさまざまな情報が飛び交っています。
そこで今回は、謎に包まれた辻が花について、特徴や着用シーン、買取相場などをまとめました。この記事を通して、あらためて辻が花の知識を整理し、理解を深めてください。
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辻が花の着物とは
辻が花の着物とはどのようなものなのでしょうか。まずは、特徴や歴史についてくわしく説明します。
辻が花の模様の特徴と意味
辻が花の着物とは、高度な絞り染め技法を基調として、描絵・摺り箔・刺繍などをほどこした草花模様の着物のこと。
室町時代に生まれたとされる伝統的な技法です。
流れるような草花の美しさと、絞りや刺繍による立体感が際立つ辻が花の着物は、今なお高い人気があります。
「辻が花」という名前の由来は諸説あります。ひとつは、「つつじが花」が略されたという説。次に、辻とは十字路の意味で、格子模様の辻に花が描かれているので辻が花になったという説。さらに、模様と模様の間を辻と呼び、その狭い場所に花が描かれているからという説。
いずれも有力な説ではありますが、確証はなく、名前の由来からして謎の多い辻が花です。
辻が花の歴史
辻が花の歴史は古く、桃山時代に栄えていたとされていますが、現在では詳しい資料が残されておらず、辻が花は名前の由来だけでなく技術や発祥についてもはっきりとしたことはわかっていません。
桃山時代に栄え、現代に残るのはごくわずかな「幻の染」
室町時代に現れ、桃山時代に大流行した辻が花。
初めは男性の着物として着用されていましたが、その美しさが女性の目にとまり、男女問わず取り入れられるようになったのです。
草花をモチーフとした優美な柄は、素朴なものから豪華で高級なものまで誕生し、庶民から武家まで幅広い階層に広まりました。当時は、染めの着物といえば辻が花というほど人々に定着していたのです。
しかし、江戸時代に制作効率や表現の自由度に優れた友禅染が発達し、辻が花は姿を消します。現存するのは300点足らずといわれ、存在した期間も一世紀程度と短いことから「幻の染」と呼ばれています。
現代の辻が花はあくまで「辻が花風模様」を指す
残念ながら桃山時代からの辻が花の技術を継承するものは存在せず、現代に制作される辻が花はあくまで「辻が花風模様」を指します。
昭和時代に久保田一竹が辻が花を復活させたと言われていますが、室町時代からの辻が花を完全に復活させたのではありません。復活を目指して研究を重ねましたが至らず、あくまで久保田一竹流の「一竹辻が花」を生み出しました。
また中には、絞り染めを用いず、柄だけをそれらしく似せたものも辻が花と呼ぶことがあります。これは、伝統的な技法とは言えず、単に「辻が花風模様の着物」です。
辻が花の着物は幅広い年齢とシーンで着用可能
辻が花の着物は幅広い年齢層といろいろなシーンで活躍できる着物です。
振袖や訪問着など華やかな席で着られる着物に多く用いられています。具体的にどんな場面で着ていくといいのか、また辻が花の着物を着る際の注意点を確認しましょう。
辻が花の振袖|結婚式や成人式などで活躍
細部まで凝った模様や、刺繍や金箔をあしらった辻が花の振袖は、成人式や結婚式でも大活躍します。
ただし、自分が主役の成人式とは異なり、友人などの結婚式で着用する場合は注意が必要です。
- 振袖は未婚者のみ
- 柄の派手すぎるものはできるだけ避ける
- 黒や白、お色直しのドレスと同じ色は避ける
成人式で着用するような辻が花は総柄のように着物全面に柄があしらわれているものが多く、その中でも色のコントラストが強く派手なものは、ゲストである結婚式では目立ちすぎてしまいます。
華やかな辻が花はむしろおめでたい席にはぴったりですが、主役である新郎新婦の意向も聞きつつ可能であれば柄の面積の控えめなものだと安心です。
また色選びも、黒地、白地のものや新婦のお色直しのドレスとの色被りは気を付けたいですね。このあたりは洋装の場合と変わりませんが、最近は和装をする人が少ない分特に目立ってしまうので気配りは大切にしましょう。
辻が花の訪問着|おしゃれ着としても重宝
辻が花の着物に描かれている花は、椿と藤をかけ合わせた架空の花であるという説があり、季節を問わず着用が可能です。
そのため訪問着であれば、日常のちょっとしたおしゃれ着から結婚式などの行事にも使うことが得着るので重宝します。
ただし柄の配置によっては、訪問着であっても付け下げのように見えることもあり注意が必要です。
付け下げになると訪問着より格が下となってしまうため、略式礼装の必要となる場などシーンによっては柄を見て判断しましょう。
また、色によって若々しい印象を与えたり、落ち着いた上品な印象を与えたりと変化するので、年齢に合わせた色を選ぶと良いでしょう。
吉祥文様などの古典柄と比較すると、格は低くなるので注意
結婚式などのおめでたい席では、立場や式場の格を踏まえて選ぶ必要があります。
格式高い式場や来賓の多い席では、辻が花よりも吉祥文様などの古典柄の着物を選ぶと無難でしょう。
また、着物は、基本的に表面がつるつるしているものの格が高いとされています。絞りの着物は表面が凸凹しているので、一般的な正絹の訪問着など表面がつるつるした着物よりも格は低くなるので注意しましょう。
【相場】辻が花の着物の買取価格目安
辻が花の買取相場
辻が花は今なお高い人気を誇っているので、買取価格も高めです。
辻が花の買取相場は、作家ものかどうかで大きく異なります。一般的な辻が花の買取相場は以下の通りです。
また、絞り染めを用いずに柄だけを辻が花に似せた、辻が花風模様の着物の価値は大きく下がります。
辻が花の着物の買取相場
- 一般的な辻が花の着物(作者不明) 数千円~30,000円程度
- 辻が花風模様の着物 数千円程度
久保田一竹など作家ものの辻が花は高価買取される
久保田一竹は、昭和から平成にかけて活躍した染色工芸家です。
20代から辻が花の復元を志し研究していましたが、20代後半から30代前半まで太平洋戦争への出兵や戦後シベリア抑留といった苦難を経験し、その間辻が花研究は中断。そして40歳になってようやく辻が花の研究に本格的に取り掛かれるようになったのです。
しかし研究の末、失われた伝統技法の辻が花を復元するのは技術的に難しいと判断し、それ以後は「一竹辻が花」と呼ばれる久保田一竹流の辻が花の発展に注力しました。
「一竹辻が花」は、ダイナミックな構図と彩色の鮮やかさが特徴的です。描かれる花には非常に繊細な刺繍がほどこされ、遠目にみたときと近くでみたときで異なる表情を見せてくれます。国内外で高く評価され受賞歴も多数。
2008年没、現在は息子である悟嗣氏が二代目久保田一竹として技術を継承しています。
辻が花の着物の買取相場
- 久保田一竹 60,000円~200,000円
- 二代目久保田一竹 50,000円~150,000円
- 桐谷翠山 20,000円前後
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辻が花の着物が高価買取されるポイント
華やかな辻が花の着物。せっかくならできるだけ高く買取してほしいですよね。
高価買取へと近づけるポイントは以下の4点。
- サイズは大きいものの方が高く売れやすい
- シミや汚れがなく保存状態がいいほど価値が高い
- 証紙、落款など着物の価値を証明する付属品は必ず見せる
- 専門の買取業者に見てもらうのが何より大事
知らないと大損する可能性もあるので、買取に出す前にしっかりと確認しましょう。
サイズは大きいものの方が高く売れやすい
着物のサイズについては、大きいものの方が高価買取されます。
というのも着物は着る人に合わせて仕立て直すことが一般的なもの。
大きいものを小さくすることは割と簡単にできる上、おはしょりなどで調節も可能ですが、逆に着物が小さい場合は、縫い代部分に生地が余っていないと広げて大きくすることは難しくなってしまいます。
大きいものの方が融通が利く分買い手が付きやすいので、高価買取が期待できます。
シミや汚れがなく保存状態がいいほど価値が高い。生地弱りもチェック
シミや虫食いは当然のことながら査定価格に影響が出ます。
ただし専門の買取業者では、シミ抜きで取れる汚れかどうかも判断してくれ、それを加味した価格をつけてくれます。よっぽどひどい状態でなければ、買取不可とはなりません。
さらに、対策をしておきたいのが着物のにおい。
長い間、たんすに入れたままだとどうしても湿気がこもり、独特なにおいが発生します。
査定日まで虫干しをして、できるだけにおいを取り除いておきましょう。
証紙、落款など着物の産地や価値を証明する付属品は必ず見せる
(画像引用:ジャパンンシルクセンター)
証紙や落款は高価買取のキーポイント。
証紙とは、簡単にいうと品質証明書のようなものです。着物の素材や産地、織り方、染め方などが記載され、「この着物は高級品である」と保証してくれます。
たとえば辻が花の着物のうち日本製の正絹を用いて作られているものには「日本の絹」のマークがあります。
証紙が付属している場合は、大切に保管し査定時は必ず提出しましょう。
また、落款とは、着物作家のロゴマークのようなものです。着物作家には独自の落款(ロゴマーク)を持っている場合があり、着物を手がけた際に「自分が仕立てたものである」と証明するために刻印します。
有名な作家であればその価値を証明することができ、類似品と見分けることもできます。落款はおくみか襟先にあることが多いです。
久保田一竹氏の作品であれば、「一竹」という表記があるはずです。
ただし、ない場合でも即偽物というわけではありませんし、買取してもらえないわけでもありません。保存状態によっては高価買取をねらえるので、あきらめずに買取に出してみましょう。
専門の買取業者に見てもらうのが何より大事。できれば複数の業者に見積もりを
着物を売る方法はいくつありますが、高額買取されやすいのはやはり専門の買取業者です。着物専門の査定士は、実績も豊富なので大切な着物を正しく評価してくれ、安く買いたたかれてしまう心配がありません。
買取業者に依頼したい場合、インターネットや電話での査定依頼が簡単です。査定は自宅や店頭宅配などの種類があるので、予定に合わせて選ぶこともできます。
査定価格に同意すれば、その場で買い取ってもらえるので手間もなし。もし買取価格に納得できなくても、査定自体は無料なので損になることはありません。
またできれば一社ではなく複数の業者に査定を依頼するのも、より高く買い取ってもらえるポイントになります。
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まとめ
時代とともに形を変えてきた「辻が花」の着物。
謎に包まれた部分の多い技法ですが、その繊細で優美な柄は今も変わらず愛され続けています。
年齢や季節問わす楽しめるため大変人気ですが、その分柄を真似て作られた辻が花風の模様も多くあります。
こういったものは、プリントや加工によって雰囲気を似せて作られてはいますが、かかる手間やコストは段違いのため、残念ながら買取でも数千円程度となってしまうでしょう。
しかし、そういった着物もリーズナブルに辻が花の雰囲気を楽しめるとあって需要はあるので、状態が悪くない限り買取不可とはなりません。
手持ちに不要な辻が花の着物があれば、次の方に素敵な着物を楽しんでもらえるよう買取を検討してみるのもいいですね。