タンスの肥やしになっている振袖はありませんか?
成人式以来一度も袖を通していない振袖や、今後も着る予定がない振袖は、日本中にたくさん眠っていることと思います。
この記事では、もう一度振袖を活躍させてあげるために、成人式以外の着る機会とやっぱりどうしても着る予定はないという場合の売却方法について、詳しく解説しています。
この記事をきっかけに、ご両親やご家族の想いが込められた振袖の今後について、いま一度考えてみてください。
振袖は未婚女性の第一礼装
振袖は未婚女性のみが着用できる第一礼装です。未婚女性であれば、年齢に関係なく着用できます。
「振る袖」という名前からもわかるように、袖丈が長いことが最大の特徴です。
袖丈の長さによって、大振袖(114cm以上)、中振袖(100cm前後)、小振袖(85cm前後)に分けられ、袖丈が長いほど格が高くなります。
また、振袖は色や柄のバリエーションも豊かです。
結婚式や成人式など慶事の席で着用されるので、松竹梅や鶴亀といった縁起のいい絵柄が使われていることが多く、モダン柄よりも古典的な吉祥文様(縁起のいい模様の組み合わせ)などが格が高いとされています。
成人式以外の振袖を着る機会とおすすめの着こなし方
一般的には、「振袖といえば成人式で着るもの」というイメージが強いかもしれません。
しかし、成人式以外にも第一礼装として着用できるシーンがたくさんあるのです。
ここでご紹介するシーンを参考に、成人式以来眠っている振袖をぜひまた着てみてくださいね。
結婚式や披露宴などの華やかな場には振袖がぴったり
結婚式や披露宴のお呼ばれには、ぜひ振袖を着て出席しましょう。格の高い第一礼服である振袖を着ることで新郎新婦や両家への敬意を表せます。
ただし主役である新郎新婦より目立たないことが基本的なマナーです。
花嫁が和装をする場合、色や柄がかぶらないように事前に情報収集をしておくのが良いでしょう。
また、花嫁の和装は大振袖なので、参列者は中振袖を選んでおくと無難です。
その2点さえ意識すればあとは自由。新郎新婦の末永い幸せを願って鶴亀柄を選ぶのも粋ですね。
小物に多くの色を使うと華美になりすぎるので、色は抑えつつもパールなど光沢のある素材を取り入れると上品な着こなしになります。
卒業式には袴を合わせて
大学の卒業式といえば袴姿が定番。
今ではブーツを合わせることも多いので、気軽に和洋折衷スタイルを楽しめます。
袴に合わせる振袖は、大振袖や中振袖でも問題ありませんが小振袖が一般的です。
学生らしく活発で若々しい印象を与えるほか、袖丈が短いので動きやすいので、式典後の写真撮影や食事会も思い切り楽しめるでしょう。
振袖と袴の色合わせは、同系色か反対色で合わせるのがおすすめ。
同系色ならば全体に統一感のある上品な印象に、反対色ならばメリハリのある元気な印象になります。
どうしても色合わせに困った場合、振袖の柄の一色を袴の色に選んでおくと、間違いがなくバランス良く仕上げられますよ。
パーティーや祝賀会でも着用OK
振袖は結婚式や成人式など正式な儀式以外にも、パーティや祝賀会で着ることができます。
格の高い礼服なので、ほとんどの催しで着用しても問題はありません。
ただし授賞式など主役がいる場合は、主役よりも華美にならないように注意が必要です。
祝賀会などおめでたい席では、お祝いの気持ちを込めて「熨斗」や「扇」の柄を選ぶと、その場にふさわしい着こなしといえます。
逆に、「椿=落ちる」「梅=こぼれる」といった縁起の良くない柄は避けた方が良いでしょう。
今では洋装での参加が増えているので振袖を着ていくだけで注目を浴びます。振袖をきっかけに会話も生まれやすくパーティにはぴったりですね。
初詣なら気持ちも晴れやかに
新年の始まりを感じられる初詣には華やかな振袖がぴったりです。
ご家族やご友人と初詣に行く場合は、特にルールはありません。ご自身が自由に振袖を楽しむことができればそれで十分です。
ただし、初詣後に挨拶回りをする場合やご祈祷を受ける場合は、格が高めのコーディネートにした方が良いでしょう。
初詣の季節は寒いので、振袖の色は黄色やオレンジ色などの暖色系がおすすめ。
健やかな新年を祝う気持ちを込めて、宝尽くしや亀甲、七宝といったおめでたい吉祥文様を取り入れるのも素敵ですね。
このような色や柄の振袖がない場合は、バッグやショールなど小物類で取り入れてみてくださいね。
さらにもう一工夫として、冬ならではのモチーフを身に着けるとグッとおしゃれになります。水仙や蘭、椿、雪持ち松などの冬のモチーフも小物に取り入れてみましょう。
既婚の場合は訪問着に仕立て直すのがおすすめ
振袖は未婚女性のみが着用できる礼装ですので、結婚後は着用できなくなります。想いのつまった大切な振袖、もっと長く着てあげたいですよね。
そういった場合は、振袖の袖丈を短くし訪問着に仕立て直すことで、既婚の人でも着用できるようになります。
ただし、袖の柄によっては訪問着に仕立て直すことが難しい場合も。
一般的に訪問着は袖丈49cmなので、その長さと柄のバランスが取れないと訪問着への仕立て直しは難しいでしょう。
全体に柄がある総柄の場合、袖丈を切ることで柄が不自然に途切れてしまうことも多いです。
また近年の振袖は、色も柄も二十歳に合わせた華やかな柄がほとんどなので、訪問着に仕立て直したとしても年齢に対して派手すぎる場合もあります。
その場合は、振袖のまま大切に保管して、娘さんや姪御さんなど次世代へ引き継ぐことも良いかもしれません。
どうしても着る機会がない…というときは売却するという手も
どうしても着る機会がない場合は、思い切って売りに出すことも検討しましょう。
売却することで、その振袖を必要としている人のもとへ届き、末永く着てもらえます。
手元を離れても大切に着用してもらえるならば、元持ち主としても大変嬉しいですね。
ネットオークションやフリマアプリで売る
ネットオークションやフリマアプリを使って、誰でも家にいながら売ることができます。
しかし正しい着物の知識がないと、適正な価格をつけることは難しいでしょう。写真を撮影して掲載したり、シミや汚れがないか検品する必要もあり、かなり手間がかかってしまいます。
購入者とのトラブルも自分で対応しなければならないので、あまりおすすめはしません。
リサイクルショップで売る
近所のリサイクルショップへ売りに出すという方法もあります。
しかし、ほとんどのリサイクルショップのスタッフは着物の知識を持っていないので、着物を正しく評価できません。
安易に売りに出すと、適正よりもかなり安く買いたたかれてしまう可能性があります。
【おすすめ】専門の着物買取業者で売る
今では着る機会がなくなってしまっても、思い出が詰まった大切な振袖です。売りに出す場合でも、専門の着物買取業者できちんと評価してもらいましょう。
専門の着物買取業者には、これまで多くの着物を見てきた経験豊富な査定士が在籍しており、振袖に正当な価格を付けてもらえます。
インターネットか電話で査定依頼をして、店頭か自宅で査定してもらうだけなのでとても簡単。専門家なので安心して任せることができ、おすすめです。
振袖を着られるシーンは意外と多い。保管が大変なら買取も検討しましょう
振袖は未婚女性の華やかな衣装。
準備や着付けは大変ですが、できることならたくさん着てあげたいですよね。
探してみると振袖を着られるシーンは割と多いため、チャンスがあればぜひチャレンジしてみましょう。
また、すでに結婚してしまった人や、なかなか着る機会がないという人は売却するというのも一つの手。
特に成人式で着た振袖は、着物の中でも柄の流行り廃りが大きく、なるべく早くに売却した方が高値になることが多いです。
保管も大変なので、ずっとしまい込んでおくよりも、大切に使ってくれる新しい持ち主を探してみるのも悪くはないですよ。