素敵な着物でのお出かけは気分が良いものですね。
でも、少し肌寒い時や風が強くて着物がホコリで汚れてしまうのが心配な時、あると便利なのが羽織です。
羽織とは一体どんなものなのか、種類や特徴などと合わせて紹介していきます。
着物の羽織とは?
羽織とは、着物を汚れから守ったり防寒着として用いられる上着のこと。簡単に言うと着物用のカーディガンのような存在ですね。その名の通りぱっと羽織るだけで雨や風、塵などから着物を守ってくれます。
【羽織の役割】
- 防寒、風よけなど
- 男性にとっては礼装
- 女性は普段着のオシャレ(フォーマル時は羽織より道中着や道行コートが望ましい)
- 紋付の羽織で、紋無しの着物の格を上げることができる
元々羽織は男性用として存在していて、女性が羽織を着用するようになったのは明治時代に入ってから。
現在でも男性の礼装として用いられていますが、女性の羽織は普段着のオシャレとしての意味合いが強いです。そのためフォーマルな場の上着には、道中着や道行コートを着る方がいいでしょう(後ほど紹介します)。
ただし紋の無い小紋や色無地などの着物を着るときに、紋付きの羽織を合わせることで、着物全体の格をあげるといった使い方をすることもあります。
女性の羽織の種類と特徴
一言で羽織と言っても種類は様々。フォーマル寄りなものからや普段使いもできる羽織など種類や格式も幅広く分かれます。
ここで大切なのが着物との格合わせ。
たとえば普段使いのウールの着物に金糸の入った袋帯を合わせないように、羽織も着物や着用シーンとの格を合わせる必要があります。
それでは羽織の種類とそれぞれの特徴を解説していきましょう。
本羽織|ちょっとフォーマルな場にも着ていける長めの羽織
羽織の種類は長さによって分かれます。本羽織は80~85cm程度の膝が隠れるくらいの丈。丈が長めになるほどかしこまった場に向いています。
男性は正装時、紋付の羽織が必須です。
女性の正装の場合、留袖や振袖の上から羽織を着ることはありません。しかし紋のある本羽織が一枚あると大変便利な使い方ができます。
というのも紋の付いた本羽織は羽織の中で最も格が高く、紋無しの着物に合わせて、準礼装や略礼装として着用できるのです。逆に普段着用としてはかしこまりすぎてしまうので、使い分けが大切ですね。
紋付の本羽織として用いられるのは主に以下の3つ。
- 黒紋付…黒無地に紋がついているもの
- 色紋付…黒以外の色無地に紋がついているもの
- 絵羽羽織…絵羽模様が描かれたもの。紋はあったりなかったり
黒無地 | 色無地 | 黒絵羽 |
本羽織の中でも「黒紋付」と呼ばれている黒一色で染められ紋の入った羽織は、男性の礼装として目にする機会が多いですが、女性でも略式の礼装用として慶弔のどちらでも用いることができます。
ひと昔前は子供の入学式に黒羽織を着たお母さんがあふれていたものです。
黒紋付羽織の次に格が高いのが、黒以外の色で染められた羽織の「色紋付」。色付き羽織も無地であれば黒紋付よりも少しくだけた場に使えて便利です。特にねず茶、紺などが特に格の高い色として用いられます。
「絵羽羽織」は柄が全体に描かれている羽織。お正月や観劇といった華やかな場で着用する羽織で、一言で「本羽織」と言われたらこの絵羽羽織のことを指していることが多いです。
中羽織|小紋やウール、紬に多い、使いやすい羽織
中羽織はお尻が隠れる膝上くらいの着丈で、75~80cm程度、身長の半分から約2cm引いたくらいの長さが一般的です。
柄は小紋や絵羽などがありますが、本羽織より丈が短い分少し軽い調子の柄がよく合います。
単に「羽織」と呼ばれる場合はこの中羽織を差してることが多く、着物とのバランスが良く重宝する羽織です。
茶羽織|一反からつけ帯も作ることができる普段着用羽織
茶羽織とは、家庭着として用いられる羽織で着丈が腰ほどなので座っても裾が邪魔にならず気軽に着られる羽織です。
私たちがよく目にする茶羽織としては、温泉旅館に置いてある浴衣の上に羽織るものがありますね。袖も丈も短く気軽に着られます。
また丈が短い分、一反の反物から二枚仕立てたり、羽織とつけ帯をセットで仕立てることができる点も茶羽織の魅力。コーディネートの幅が広がりますね。
羽織以外にもある、着物用のアウター・コート
羽織は防寒や塵やホコリから着物を守る他、着物の格を高めたりお洒落をしたり普段着としても活躍するものです。
しかし正装の際に羽織を羽織ることは出来ません。そんな時に役立つのが外でのみ着用できる着物用のコート。
雨コートや着物コートなどと呼ばれる着物用のコートについて解説していきます。
道行コート
道行コートは四角くカットされた襟(道行衿)が特徴。
素材や染めによってカジュアルにもフォーマルにも対応し、落ち着いた色味で無地のものであればかしこまった場に出かける際にとても重宝します。一方紬などの素材であれば普段着用ですね。
訪問着や留袖に合わせるなら、道行コートを選べば間違いありません。
道中着
道中着は、着物のように襟合わせで着るのが特徴。
道行コートよりカジュアルで、羽織よりはフォーマルといった中間の立ち位置。ただし羽織がカーディガンであるのに対し、道中着はコートの分類なので、お呼ばれの際には玄関先で脱いでおくのがマナーです。
小紋や付け下げ、訪問着と合わせることが多いです。
雨コート
雨コートはその名の通り、雨の日に着物を守ってくれるコートです。一般的には水を弾くサテンや紬、縮まないお召などの生地が用いられますが、最近では手入れの楽な化繊が多く使われています。
着丈は着物の裾より長く、襟は道行衿やへちま衿が多いです。最近では二部式の雨コートもあるので、雨上がりに裾の部分だけ外して道行コートとして着用できる物もあります。
防寒コート
防寒コートはまさに寒さから身を守るコートで、素材は高級感のあるベルベットやカシミヤで暖かさも抜群です。
また、襟元にファーをあしらった物など、洋服のコートさながら着物用の防寒コートもお洒落の一つとして定着しています。
羽織や和装上着は売ることができる?買い取ってもらう方法
羽織や和装上着を売る方法はいくつかあります。
- リサイクルショップに持っていく
- ネットオークションやフリマアプリなどを使う
- 着物の買取専門業者に査定を依頼する
ただし、売り方によっては適切な価格で買い取ってもらえないこともあるため、それぞれのポイントと、おすすめの売り方を説明していきます。
リサイクルショップ
近場近場のリサイクルショップは気軽に不用品を持ち込める便利な存在です。
しかし様々なものを扱うリサイクルショップには、着物の専門的な知識を持っている店員が常駐していない事が多く、そのような場合「適正価格で査定してもらえない」というリスクが生じてしまいます。
実際は高価なものも安く見積もられてしまう事もあるので、あまりおすすめできません。
また、着物は買取しても羽織は対象外という店舗もあるので要注意。
ネットオークション、フリマアプリ
ネットオークションやフリマアプリは、自分の言い値で売ることができ、人気が高いものは、思いがけず高価格で売れるケースもあります。
しかし、実際に商品を手に取って買うわけではないので、素材や色合いの違い、また、キズや汚れ等も確かめにくく、利用者間でトラブルになる事もあるかもしれません。
また、着物に関する専門的な知識に欠ける人同士が売買するケースが多いので、適正な価格で売買することが難しく、リサイクルショップ同様、高い物を安く手放してしまう可能性も。
需要の幅は広いので、買取業者に買い取ってもらえなかったものなどを出品してみるといった使い方がおすすめです。
【おすすめ】着物の買取専門業者に査定を依頼する
大切な和装上着の査定は、着物買取業者に依頼するのが一番です。
着物の買取専門業者であれば、素材、産地、品質、有名作家など、着物に対する豊富な知識を持つ信頼のおける鑑定士が適正な価格で査定してくれます。トラブルもなく、売り手側も非常に安心です。
便利な出張鑑定を行っている所や、査定無料の業者も多いので「大量の着物をわざわざお店に持ち込むのは大変」と思う人にも、気軽に査定してもらう事ができます。
羽織に限らず着物の事で迷ったら、まずは着物買取業者に依頼することを検討しましょう。
羽織を買い取ってもらえるおすすめの買取業者は以下の通りです。
バイセル
バイセルの基本情報 | |
キャン ペーン |
最大現金10万円 プレゼント ※5,000円以上の買取 (抽選5名/宅配は対象外) |
買取方法/ エリア |
出張買取:全国 持込買取:13か所 宅配買取:全国 (一部離島除く) |
申込方法 | インターネット 電話 |
受付時間 | 24時間365日 (訪問は9時~17時) |
買取額の 支払い |
出張買取:その場現金 持込買取:その場現金 宅配買取:約2営業日以内銀行振込 |
公式サイト | 公式サイト |
バイセルは2年連続「出張買取顧客満足度一位」の実績ある着物買取業者。
全国対応の出張買取がメインで、北海道から沖縄まで最短即日で査定をしてくれます。
出張費や査定料は当然無料で、少量の着物でも査定が可能。逆に大量に着物を売りたいときも、着物専用倉庫を持っているバイセルならば無料で引き取ってもらえます。
ただし持ち込み買取の場合、当日持ち込み可能な店舗数は、名古屋栄セントラルパーク店、横浜元町店、有楽町店、東京本社(要予約)の4店舗と少ないので要注意。
着物10
着物10の基本情報 | |
買取方法/ エリア |
宅配買取:全国 |
申込方法 | インターネット 電話 |
受付時間 | 24時間 |
買取額の 支払い |
宅配買取:査定後最短即日銀行振込 |
公式サイト | 公式サイト |
着物10は創業28年の実績ある着物買取店。
買取方法は宅配買取のみで、持ち込みや出張は対応していません。
沖縄と離島以外の全国に、無料の宅配キットを送付してくれるので、段ボールやガムテープなどを自分で用意する必要がない点は便利です。
ただし、無料キットの利用は振袖・訪問着だと1枚から、その他の着物・帯の場合は5点以上からと数量に条件があるので、それより少ないときは自分で箱や梱包材を用意し、着払いで発送しましょう。
査定から入金までは即日のため、なるべく早く宅配買取で現金化したいという人に向いています。
また買取品目に長襦袢や和装小物も含まれるため、着物一式を片付けたいという人にもおすすめです。
着物の羽織や和装上着の買取価格の相場
羽織や道行などの和装上着は、とりあえず一枚を使いまわせばいいかという人も多く、需要が着物程高くないことから、相場は安め。
また上着ということで汚れやすく、買取してもらえてもシミ汚れが原因で値段がつかないということも。
無名の羽織や和装上着の買取価格の相場は、状態が良くて1,000円程度。素材や使用頻度によっては100円ほどのことも多いです。
一方、戦前に織られた絹の物や手刺繍、手絞りなど、アンティークや伝統工芸品、作家ものの羽織は相場10,000円~20,000円と高く買い取ってもらえます。
どちらにせよ、汚れやシミの有無は大切なポイントなので、使ったら汚れを取って乾かすといったこまめな手入れを行いましょう。
まとめ
羽織や和装上着の買取相場はそれほど高くありません。ただしかしこまった場にお出かけをするときには道行が必要になりますし、羽織があればコーディネートの幅も広がるので、着物の買取業者であれば、取り扱い不可というところは少ないでしょう。
一方リサイクルショップなどでは、そもそも取引してもらえないこともあるので、持ち込む際は要注意。
ただし上着ということで、汚れはどうしても付き物。シミや汚れがあるとガクッと価値が落ちてしまうので日々のお手入れはかかさず行いましょう